サッカーやゴルフで超巨額オファーを出し続けるサウジアラビア

サウジアラビアによるサッカーの超巨額オファーが話題に!

ヨーロッパの有名クラブで活躍する一流プレイヤーに対して、サウジアラビアリーグが高額でオファーをかける機会が増えており、ヨーロッパサッカー界で賛否両論の声が上がっています。
2022年にはポルトガル代表のFW、クリスティアーノ・ロナウド選手がサウジアラビアリーグのアル・ナスルに移籍することが発表され、大きな話題になりました。
さらに話題になったのが、年俸の推定額が約2億ユーロ、日本円にして約280億円とされたことです。
日本のプロスポーツの常識では、ちょっと想像もできない巨額のオファーで契約が成立したことになります。

2023年には、ブラジル代表のFWネイマール選手が、サウジアラビアのアル・ヒラルに2年契約で移籍することが発表されました。
推定年俸は1億5000万ユーロ(約239億円)とされています。
しかも年俸に加えて住宅や高級外車なども提供されるとも言われており、これもまさに破格のオファーとなっているのです。
歴代最高のサッカー選手との呼び声も高いリオネル・メッシ選手にもサウジアラビアの超高額のオファーが来たとも言われており(結果的にはアメリカに移籍)、サウジアラビアが高額のオファーで次々と有名選手を引き抜きにかかっている状況がうかがえます。

サウジのLIVゴルフとPGAツアーが統合するビッグニュースが話題に!

サウジアラビアのスボーツへの積極的な関与は、サッカーだけにとどまらずゴルフにも及んでいます。
男子のプロゴルフといえばこれまでPGAツアーが有名でしたが、新たにサウジアラビアの政府系のファンドがバックについているLIVゴルフが誕生したのです。

超高額の賞金や有名選手への超高額オファーを繰り返すことで、ゴルフ全体に大きな問題を引き起こしていました。
LIVゴルフに出場する選手もいれば、LIVゴルフを「お金に物を言わせて選手を引き抜いている」と批判してPGAツアーに残る選手も出るなど分裂のような状況をもたらしたのです。
あのタイガー・ウッズ選手がLIVゴルフの姿勢を厳しく批判したことで、大きな話題にもなりました。

ところが、そんなLIVゴルフとPGAツアーが2023年6月に和解し、さらに1つの商業団体として統合されることが発表されました。
これまでの分裂騒動によって、LIVゴルフに出場した選手がPGAツアーの参加を禁じられるなどの問題を出てきており、今回の和解・統合によってこうした混乱状態も収束に向かうのではないかと期待されています。

しかし、ここにはサウジアラビアによる「スボーツ・ウォッシング」の問題も指摘されています。
「スポーツで洗い流す」という意味のスポーツ・ウォッシングとは、簡単に言えば「抱えている問題や都合の悪い状況をスポーツで盛り上げることで忘れさせる、またはごまかす」ことを言います。
サウジアラビアの場合、人権問題が各国から批判されており、それに対して「優れたスポーツ文化を持つ国」というイメージでスポーツ・ウォッシングを目論んでいるのではないか、という批判の声も上がっているのです。