サッカーにおける契約解除金について

契約解除金とはどんなもの?

日本のプロスボーツではあまり縁がありませんが、海外ではしばしば大きな話題になるのがこの契約解除金、その名前の通り「契約を解除するために発生するお金」のことです。
プロスポーツ選手は、所属するチームと契約を結んでいます。
単年契約のこともありますが、一流クラスの選手ともなると複数年契約を結ぶのが一般的です。
複数年の契約を結ぶことで選手としては安定した環境を得ることができ、チームとしてはその選手を契約期間中の間確保し続けることができるからです。

逆に言えば、チーム・選手ともに契約に縛られる形となります。
複数年契約を結ぶことで双方にメリットが得られればよいのですが、選手がチームにうまく馴染めない、フロントと仲違いする、またはチームが期待していたほどの活躍を選手ができていない場合などには、双方の間に問題が生じることもあります。
そんなときに選手が「こんなチーム出ていってやる!」と思っても、契約上それができないのです。

ヨーロッパサッカーでは、選手が移籍する際に「移籍金」が発生します。
Aチームに所属している選手をBチームが獲得しようとした場合、その選手がAチームとの契約を残している場合にはBチームはAチームに移籍金を支払う必要が生じます。
契約解除金も基本的にはこれと同じで、すでに成立している選手とチームとの契約関係を解除するために必要になるお金のことです。

契約解除違約金とも呼ばれ、その名前の通り「違約金」、つまり契約とは違い状況(移籍)を成立させるために必要になるお金となっています。
通常、選手とチームが契約を交わす際にこの契約解除違約金の額が決定されます。
そのあらかじめ定められた金額を支払うことで、まだ残っている契約を破棄することができるわけです。
移籍金の場合、選手が所属するチームとその選手を獲得したいチームとの間での交渉が必要になるのに対し、契約解除金の場合は支払って選手が契約を解除すれば、選手と獲得したいチームとの交渉だけで移籍が実現できるのが大きな特徴です。

巨額の契約解除金が支払われて話題になった例

この制度が話題になるきっかけになったのが、2016年のイタリアの名門サッカーチーム、ユベントスがゴンサロ・イグアインを獲得するために9000万ユーロ(約115億円)の契約解除金を支払ったケースです。
そして2017年には、ブラジル代表のネイマール選手がバルセロナからパリ・サンジェルマンへ移籍する際、2億2200万ユーロ(約268億円)が支払われたことが大きな話題となりました。

もともとこの契約解除金は選手の所属チームが設定することが多く、チームとしてはその選手を失わないために巨額の設定を行うケースが見られます。
ネイマールの契約解除金も同様だったと言われており、実際に支払われて移籍が行われた際には驚きの声も上がりました。