ルール改正されたサッカーのハンド
サッカーは足で行うスポーツですから、手や腕でボールを触るとハンドという反則を取られます。
正確には「ハンドリング」と言いますが、ゴールキーパー以外のプレイヤーがスローインなどの一部のケースを除いて、手や腕を使用してボールを扱った場合に取られる反則です。
ハンドを取られると、通常は直接フリーキックなります。
ただし、ボールに触れたのが自チームのペナルティエリア内だとペナルティキックです。
そんなサッカーのハンドですが、2019年にルールが改正されたのを知っているでしょうか。
とはいっても、特に大きく変わったわけではありません。
従来からあったルールの原則を改めて強調する内容になっただけです。
その原則とは、「手や腕にボールが触れたからといって、すべてのケースで反則になるわけではない」という原則です。
あまりにもハンドを取られるケースが増え、PK戦にもつれ込むことが多くなったため、この原則をもう一度見直そうということになりました。
腕に触れた場合はハンドですが、それが肩の場合はハンドとみなされないという原則もあります。
しかし、以前はどこから肩でどこまでが腕なのかの区別があいまいでした。
個々の審判がその都度判断していたため、あるケースでは反則だったのに、同じような別のケースでは反則を取られないということが頻発したために、今回のルール改正につながったのです。
改正ルールによるハンドの基準
2019年の改正において、腕と肩の区別が明確に定義されました。
腕を下げた時の腕の付け根、脇の下の最も奥の部分を基準として、地面と水平になるように線を引きます。
その平行線よりも上側が肩、下側が腕という判定基準です。
もう一つの、「手や腕にボールが触れたからといって、すべてのケースで反則になるわけではない」というポイントは、故意に触れたかどうかで判定されます。
ゴールキーパー以外のプレイヤーが手や腕でボールを触ってしまった場合でも、それが故意でなければハンドにならないということです。
とはいっても、実際に故意かどうかはそのプレイヤー自身でないとわかりません。
そのため、審判はボールが手や腕に触れる直前の状況で判定します。
具体的には、「手や腕がボールに対して、もしくは、ボールの進行方向に対して動いていなかったか」「体の幅を広げる位置に手や腕がなかったか」および「手や腕の動きがプレーの状況に沿った自然な動きだったか」という3点です。
選手が故意ではないと主張しても、手が体から離れた位置にある時にボールが当たるとハンドを取られる可能性が高くなります。
また、実際に故意ではなかったとしても、状況的に手や腕の動きが不自然だったと判断されるとハンドになるので注意が必要です。